romancingerga3131’s blog

新潟県柏崎市生まれのアラフィフ。ライティングの修行のためブログを始めました。本職は公共輸送業。主に地域の魅力や地方創生、まちづくり、東京一極集中の問題、その他諸々を本職(公共輸送業)の目線で書きたいと思います。

東京一極集中を私の本業の目線で見る

 ユウこばやしです。ブログを始めて気付いたのですが、話すのは容易でも話したことを文章にして書くことの難しさを痛感しております。

 さて、今回のテーマですが「東京一極集中」について私の本業の目線で見る。

 「東京一極集中」とは、日本において、政治・経済・文化・人口など、社会における資本・資源・活動が東京都区部、あるいは南関東に集中している状況を言います(Wikipediaより抜粋)。 まず私の本業ですが、都内某エリアを走る「路線バスの運転士です」。下の画像は私が乗務中に使用している路線バスの車内のレイアウトです。
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 ご覧の通りのノンステップバスの車内ですが、中扉(降車口)から後ろにかけては座席を削減した都市型ラッシュ仕様という乗客収容を第一に造られたレイアウトになっています。そして私の営業エリアですが、平日朝のラッシュ時間帯には主要ターミナルのバス停や駅に1時間毎約60本前後。また土日祝においても、バスの車内が超満員になるほど利用客を乗せて発着している「ドル箱」と呼ばれる収益性の高い路線を抱えているエリアです。
f:id:romancingerga3131:20211226190940j:imageバス高速輸送システムBRTの運用に就く新潟交通の専用バス。新潟駅万代口にて撮影)
f:id:romancingerga3131:20211226191400j:image新潟交通BRT専用の連接バス新潟市西区にて撮影)

 余談ですが、私の営業エリアは「ドル箱」であるものの連接タイプやホイールベース(前タイヤから後ろタイヤの間隔)の長いタイプの大量輸送用のバスは道路の構造上導入不可能ですが、道路の構造上通行可能で且つ収益性の高いエリアにおいては上の2枚の画像にありますように連接バスホイールベースの長いバスを導入している会社もあります。

 さて、そんな「ドル箱」エリアで乗務している私ですが、「東京一極集中」を本業の観点から「人口(利用客)」という分野で書きたいと思います。結論から言うと私は、東京にこれ以上人口が増えることに対して反対です。その理由は、東京に人口が増加すればするほど「トラブルやリスク」「モラルやマナーの低下」が増えるからです。

 現在、入社して15年目。私が入社したての頃も満員になるほど乗りましたが、年末年始は途中のバス停で時間を調整するぐらいの余裕があり利用客も今ほどいませんでした。

 しかし、東日本大震災を経て年数が経つごとに営業エリアにマンション、学校と宅地化が進むにつれて沿線人口が増加し運転士と利用客同士のトラブル、沿線住民のマナー(車内乗車時、道路通行時、自転車走行時)の悪さが目立つようになりリスクもはるかに上がりました。

 また東日本大震災以降はSNSを始めとしたネットの発達により伝達手段が容易になり、正しいことをしていてもクレームになるケースが増加。そして、運賃を払えば何をしてもいいという勘違いをした利用客も増えました。

 このような悪質な行為は運転士にとって負担となり、精神疾患や退職者の増加に繋がり運転士不足に陥ります(現在はコロナ禍のためまた違った負のスパイラルになっていますが)。

 もちろん乗務中、私もこういったケースに立ち合っておりますが、数年前よりこの問題に対しての背景、解決策等を組合の職場討議や会社の職場説明会でも主張を続けてまいりました。その結果、本社のお客様センターに送信される悪質なクレームが40%に上ることが判明。改善されるどころか益々ひどくなる一方です。

 そのような中、今年の6月の終わりに、全日本交通運輸産業労働組合協議会交運労協)が悪質クレーム(迷惑行為)調査に乗り出し、職場のアンケートに記入要員として抜擢され調査に協力するすることになりました。f:id:romancingerga3131:20211230170645j:image

 ここへきてやっと1つの切っ掛けに発展しましたが、今後はこれをいかに世間に訴えて発信し国に周知させ、法案として成立させるまで持っていってほしいなと願うばかりです。

 「東京一極集中」の人口という部分について触れました。

f:id:romancingerga3131:20211231150635j:image(仕事一筋だった主人公が定年を迎え、趣味も夢もないままに途方に暮れるさまと、やがて自らの第二の人生と向き合い悪戦苦闘していく姿を、夫婦の葛藤と絆とともに描き出す作品。)
 そんな経験から4年ほど前から、地方創生やまちづくりに関心を持つようになりましたが、私は仕事の愚痴を言っているのではありません。私達公共交通労働者は、利用客の安全安心を確保し日々安全輸送に努めております。公共交通労働者に対する悪質クレーム(迷惑行為)はその公共交通労働者の精神や人格を破壊し挙げ句の果てに病んでしまいます。都内の路線沿線に沿いに住む皆様、公共交通を利用される皆様、並びに都内に夢を抱いてこれから地方から上京される皆様。都内含む大都市圏にもローカルルールやマナーがあります。自分だけが生活しているのではありません。地方同様、東京をはじめ大都市圏にもお互いが思いやれる環境を維持しなくてはならないのです。

 この文章を読まれた皆様に「東京一極集中」を始め1人1人がお互いを思いやれる環境の維持を今、改めて考える切っ掛けになれば幸いです。